「ようやくわかりました」  更新;2023/11/08  再更新'24/11/06

  お客様からいただいたアンケートのご回答内容を原文のまま掲載いたします。
 典型的な『高音急墜』です。 低い音(250Hz)は所長以上に聞こえていました。
 一方、少しでも高い音になると聞こえ方が一気に悪化。まるで急な崖のよう。
 補聴器の音質調整の考え方を“埋め立て”と表現する所長も、さすがに絶句した
 ほど難しい…でも超小型耳穴型を付けていらっしゃる。つけた結果は想像通りの
 「聴き難い・大きい音がうるさすぎる」。お値段68万円。聴こえない苦しみで
 悩まれた挙句の補聴器相談来所でした。またまた強豪の登場です。

  補聴器の装用効果はわずかであることを覚悟して聴力測定・試聴器による装用
 閾値測定を済ませた結果(赤い曲線)が下の表です。これが精一杯でした。調整の
 限界を示す典型例でもあります。

  後日談…3年ほどお使いいただいた頃にメールが届きました。「新製品登場で
 お勧めは?」との問い合わせ。「現状で十分ですし、新製品でもそんなに改善し
 ないと思います」と返信したところ、「普通なら新製品が出ると必ず勧められま
 すよ。選定調整にゆるぎない自信があるのですね」と、えらく感謝されました。
 大変ありがたいコメントに、こちらこそ心から感謝した一瞬でした。


   
 *聞こえ方比較 症例35

*茶色の曲線(CIC)
 所持器による聞こえ方(装用閾値)

*赤色の曲線(試聴器;BTE)
 試聴器による装用閾値
  1kHzから4kHzまでの装用閾値が
 所持器より改善されている。
 *どの高さの大きな音でも不快の
 ないよう、調整を済ませている。

"Kyutsui Climber" 様からのご回答を原文のまま掲載

 *所持器に関して…(ブランド、補聴器店名は来所された方にのみ公開)

 ・器種、タイプ⇒
超小型耳穴型、両耳装用。68万円
 ・『聞こえ方』の説明⇒「言われた覚えなし」
 ・小さな音の聞こえは⇒「それまで聞こえなかった高音が聞こえる」
 ・大きな音の聞こえは⇒「大きすぎてうるさい」
 ・ご自分の声の聞こえは⇒「大きく、じゃまに聞こえる」
 ・聞こえの自然さは⇒「大きくなるだけで聞きにくい」
 ・補聴器を付けた聞こえ方の説明は⇒「なし」

*最初の購入器(初めて補聴技研の『音色』を耳に入れる)

 ・器種、タイプ⇒高出力耳掛け型両耳装用(販売価格30万円)
 ・『聞こえ方』の説明⇒測定結果を表示、裸耳と装用時の聞こえも
  含めて、補聴器適合の困難性と限界を十分にご説明しました。)

 ・小さな音の聞こえは⇒「前よりも高音が聞こえる」
 ・大きな音の聞こえは⇒「前よりもうるさくない」
 ・ご自分の声の聞こえは⇒「やや大きいが、不快ではない」
 ・聞こえの自然さは⇒「マイクを通して聞くような感じかも」
 ・「ご気分はいかがですか?」⇒「なんとも言えない(表現困難)」
       「イヤモールドの異物感が強く、なかなか慣れない」

         *『きこえ』に納得されてご購入となりました。

 ※試聴器を付けた聞こえを含む感想等、自由コメント表記

  今まで、自分がこんなに難しいタイプの難聴とは知りませんでしたが、
 おかげさまで、なぜ相手の話が聞きとれないのか、なぜ補聴器が役に立た
 なかったのか、その理由がよく分かりました

  少しでも今より聞こえが良くなるのなら、音の大きさや不自然さなどは
 全く問題ありません。今回、3,000Hzまで聞こえるようにしていただいた
 補聴器の可能性を信じ、言葉の聞こえの改善をめざして使っていきたいと
 思います。(再調整を済ませた実器によるご回答;2018/9/24)

 *この記述から3日後には、すっかり慣れて違和感がなくなったそうです。
 1か月後には、補聴器が耳にあることを忘れるほどになった旨のメールを
 いただきました。苦労した甲斐がありました。
(2018/11/1)

*"Kyutsui Climber" 様のプロフィール

  リニューアルした補聴技研ホームページを見て来所。彼の凄いところは、
 補聴技研のホームページ全てをプリントアウトして所持しておられたこと。

  所長の主張を深くご理解ご支持くださり本当に感謝一杯!。所長が忘れて
 しまったことまで知り尽くしておられ、まるで補聴技研ホームページの案内
 人のよう。“助け舟”を主張する所長が船長なら、彼は完ぺきな水先案内人
 でしょう。既に“補聴器ソムリエ”に並ぶ第一級のこだわり来所者の一人に
 なっておられます。所長も一層気合を入れて彼の熱意に寄り添わないと!

  もしかしたら、最新版の充電式耳穴型(最強力型)が適合しそうです。少し
 前にお知らせしました。補聴器はまだ健在でしょうが…('23/06/14)

  約3か月後にご購入目的の再来所が実現。“最新版”を試聴していただいて
 愛用器を5dB上回る結果がえられました。『ささやき声まで聞こえる』ように
 できたのです。装用閾値曲線にみられる高音域の『きこえ』で推定できます。
 補聴器を装用して調整しなければ得られない成果に即決。再受注。納得の調
 整のほどこされた実器は10日以内にお届けできました。('23/09/05)
  *買い替えサービス適用で、充電器込イヤモールド付き \555,000でした。

     *新型器の聞こえは…

*赤色の曲線(まだ試聴器です)
 試聴器をつけた聞こえ方(装用閾値)
 …3kHzから8kHzまで「聞こえる」。
 ⇒摩擦音が感じられるようになり、
 ささやき声(30cm)が聞こえました

*灰色の細い曲線(補聴器なし)
 同一音源による裸耳での聞こえ方
 …2kHzから8kHzまでの聞こえは、
 バンドノイズの低音部に伸びる部
 分を聞こえの良い低音部で聞いて
 いるため。純音では聞こえません。



 再びお礼と所長の決意;遠隔調整を続けて、より良い聴こえを作る!

  "Kyutsui Climber"様、2回目のご注文まことにありがとうございました。

  発送した実器は新しいイヤモールド付きです。同じ設定でも聞こえ方が大幅に
 変わる可能性があり、再調整が不可欠です。そこに“渡りに船”的な遠隔調整が
 登場しました。
早速遠隔調整で対応。調整のたびに改善が着実に進みます。

  KC様の強い熱意と行動力が再調整への大きなヒントとなりました
。負けずに調
 整に取り組む所長は、彼の都合の良い時間帯に10分ほど繋ぐだけで済む便利さに
 すっかりハマってしまいました。「これはイイ」と。(設定作業時間は1時間程)

  現在8回目の再調整が完了。彼が見つけた『聞こえのチェッカー』による詳細な
 報告がさらにより良い聴こえ創りに大活躍。彼の補聴器は既に試聴器のきこえを
 超えているのではないでしょうか。もうすぐゴール。追加導入したTVアダプタの
 聞こえ具合が今度は気がかりになってきました(笑)。('23/11/08)

  彼のゴールは想像を絶する高さになるでしょう。試聴レベルでもささやき声が
 聞こえていたのですから…こんな感動をより多くの熱心な方に体験していただけ
 たら本当に素晴らしいと思いました。『こだわり来所者』の頂点に立つKCさんは
 もはや『顧客』を超えた『共同研究者です。感謝感謝!

 *後に彼の補聴器は『遠隔調整』が可能になり、微調整を10回以上繰り返しまし
 た。さらに新製品紹介の案内後に再来所いただいてイヤモールド改造を含む再調
 整を行って、所長にとっても納得ずくの聴こえを作ることができました。再び感
 謝です。最新型ハイエンド器の試聴結果に納得され、エンカンタ400のご購入まで
 決断されました。調整結果も含めて、今では彼が世界一の補聴器愛用者です。
                       ⇒⇒
彼の最新データ(下右)


  所長は今後も“良い聴こえ”を本気で求める方の“小さな助け舟”となって
 活動を続けます。来所される皆様、所長を散々苦しめてください(笑)。

  *限界を大きく超えるようなご要望にはさすがに応じられません…ご勘弁を(笑)。



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