よく聴こえる補聴器が出来上がるまで

  ホームページ受付に始まり、よく聴こえる補聴器に感動するまで、具体的にどれくらい
 かかるのでしょうか? これまでの経験で得られた、『補聴器づくりの平均的イメージ』を
 紹介いたします。お客様と共に「よくきこえる」を生み出す苦しみが伝われば幸いです。
                                                         前回更新;2023/07/26  更新;'24/07/16

*作り上げるまでの作業内容と時間;1回目の平均は5時間以上?


 1 相談受付〜来所予約確定直後;既に最低1時間かけています(受付は原則平日限定)

   ・『体験技術料』入金をもって予約確定し、来所日程が決定→当日のきめ細かな調整等で納得の聴こえが創られる。

   ・『聴力データなし』→聴力検査のための耳鼻科受診を勧め、データ送付を依頼。
    →大まかな聴こえの様子が判れば、それに応じたデモ器を準備できる。データ送付を待つ。

   ・『聴力データあり』→データに基づいた適合可能な器種候補選定とデモ器の準備、仮フィッティング。
    *補聴器を付けた場合の大まかな聴こえの改善を通知できます。⇒高精度調整


 2 (遠方から)来所;勇気ある行動に感謝しつつ、3時間以上かけて…

   ・補聴器を既に所持→『補聴器を付けた聞こえ』を測定し、『補聴器の効果と問題点』を説明する。

   ・細かなデータも含む聴力測定を実施。適合可能器種と補聴器を付けた聴こえがハッキリ予測できる。

   ・デモ器による補聴器フィッティングで『よいきこえ』の体験実験(補聴器貸出はありません)
    →補聴器を付けた場合の聴こえの改善を実体験。調整・性能の限界も十分実感できる。⇒調整法
    →騒音環境での聞こえ方や応用機器の体験も十分可能。その分時間がかかる。
    →高性能器ほど調整項目が増えて時間がかかり、実際は4時間以上にも…来所者も疲れる。

   ※補聴器は『入れ歯作り』と同じです。時間と高度な技術が求められます。
      精密な『型採り(聴力測定)』と『装着して微調整(実際につけて調整)』が欠かせません。

      高度な知識が求められ、“兼業”でできるレベルではありません。補聴技研での試聴体験で
     得られる具体的な成果と問題点とは…

     ◎今まで体験できなかった『聞こえる感動』を購入せずに味わっていただけることが多い。
     △所持器との比較が客観的にできるが、調整不十分の補聴器でもその『慣れ』による影響で
     改善の効果が感じられなくなっている場合がある⇒「デカい音」でないと納得しない(笑)
     △片耳装用から両耳装用になって、逆に聞こえの違和感が出て調整困難に陥ることも。

   ・調整結果資料『私の補聴器』を作成してご提供。ご購入は結果次第。「購入なし」でも結構です。

   ・購入を希望される方は、必要に応じてイヤモールド採型と次回の来所(次の3)予約。


 3 実器の精密調整;試聴器で創り上げた『音色』を実器で再現してご提供

   ・メーカーから届いた注文器を来所前に調整、測定器を活用して極力一致させます。これでほとんど
  納得できる聞こえを作れますが、環境に応じた『音色』まで作る調整には1時間追加しても足りません。

   ・お客様来所;予め調整を済ませた実器を耳につけた『装用閾値』を測定しながら再び微調整します。
    →『籠り感なし』『自然さ』『明瞭性』『快適性』の4項目がそろうよう、ひたすら調整・調整…
     納得づくの聞こえを手に入れてお持ち帰り。実際に使ってみて聞こえに不具合があれば再度来所
    いただいて()調整し直して改善を図ります。⇒比べてみたら…
              (直近5年の統計では、ご購入者のほぼ90%が『一発で満足』でした;'19/05/27)
            ※『遠隔調整』で、再来所なしに微調整ができるようになりました。

    *『語音聴力検査データ』追加可能。より客観的にわかるように改善しました。('20/06/06〜)
    *新しい補聴器に感動? アンケートにご協力いただきます⇒実際のコメント


*予期しない苦労も沢山…(説明不足に十分注意しています)

   ・補聴器ユーザーが『耳管閉塞症』の疑い? 特に季節の変わり目に不具合があるらしい
    →調整時は「よく聞こえて満足」、翌日には「小さくしか聞こえません」 を頻繁に繰り返す。
     …耳鼻科検診の重要性を痛感しました。『元の聞こえ』が一番大切ですから。

   ・補聴器ユーザーが「騒がしい使用環境でも『普通に聞こえる』ように」できると思い込む。
    『限界』を繰り返し伝えて常に両耳装用するよう伝えていたのに、文字通り『耳に入れてくれない』…
    →調整時に「よく聞こえて何とか納得」しても、数日後には「小さくしか聞こえません」 …
      電話使用時に補聴器(耳掛け型)を外す。送受話器の正しい当て方(耳の上部が正しい)の説明を耳に
     入れない。ちゃんと文字を使っても説明したはずでしたが…耳掛け型特有の扱いに誤りが…
    *事前に『騒音付加実験』を繰り返しても、言葉が騒音でかき消されるような環境で使われては非力。
     ⇒ワイヤレスなどの応用で改善するしかない…苦しみは重々承知。『耳の性能』が素晴らしすぎて…
      *'24/07から発売されたハイエンド器は、騒音対策に真正面から取り組んだ意欲作。これなら騒音に
      対抗できる可能性があります。他ブランドからも続々登場…大きな障害は価格のみ(苦笑…)。

   ・補聴器ユーザーが『感音性低音障害』のオージオグラム。聞こえにくい低音部は大きい音に不快感大。
    →低音部を強調し過ぎで最初は『聞こえすぎ』が解消せず、無用なご苦労を何度も掛けてしまった。
     *思い切った調整(増幅を下げる)で「静かになった」と言われ、めでたく『適合』に。
    ※再調整依頼がなくなった(諦めたのではなく)時点で『適合』と推定しました…『病気の治癒』と同じ?
    ※半年以上して不調の連絡⇒耳垢つまりが原因で、短時間に解決できました。


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    所長の基本的考え    補聴器創りの途中経過+名言?    一般的なお店と比べたら…

    『適合』のキーワード    信じてもらえず…     *全部見たい ⇒ メニューから再出発